AGAから腸活サプリまで、タイの薬事情を聞いてみた

タイの薬局は、日本では処方箋が必要な薬が、相談だけで手に入ることが多いのをご存知でしょうか。AGA(薄毛)の薬や、出張・旅行のときに頼れる常備薬、最近トレンドの腸活サプリまで、タイの薬局には独自の事情があります。
今回は、タイでブレズ薬局を展開するブレズグループの飯田直樹CEOに、タイの薬局でよく売れている薬やサプリについて伺いました。
ブレズグループ公式サイト
https://blez-web.com/
AGA(薄毛治療)の薬事情
まず伺ったのは、日本でも個人輸入されることが多いAGAの薬についてです。タイでは処方箋なしで手に入るため、独自の市場ができています。
筆者:タイで売れているAGAの薬を教えてください。
飯田:フィナステリド、ミノキシジル、デュタステリドという3つの成分が中心です。フィナステリドの先発品としてはプロペシアが有名ですが、タイ製品で一番売れているのは、サイアムファーマシーというタイの会社が作っている「Firide」というジェネリックです。ミノキシジルは「Nu Hair」というローションタイプが定番。錠剤タイプもあるので、症状や好みに合わせて薬剤師と一緒に選んで下さい。デュタステリドは、先発品の「アボダート」や、そのジェネリック「UROKA」がタイでも流通しています。
筆者:いきなり薬を買いに来る方が多いのでしょうか。
飯田:いきなり薬局に来る方も多いですが、一度クリニックで相談される方も一定数いらっしゃいます。すでに別の病気で薬を飲んでいる方は、薬の組み合わせによって飲めないケースがあるので、薬剤師が必ず確認しています。日本の医師から特定の薬を避けるよう言われている方は、より慎重に相談される傾向がありますね。
最近はタイ人のお客様も増えていて、人種を問わず需要が広がっている印象です。日本でAGA治療を受けるとそれなりにお金がかかりますが、タイでは来院すれば薬の入手から相談まで一度に済ませられるので、その手軽さも支持されている理由だと思います。
筆者:費用面では、日本と比べてどうですか。
飯田:処方薬を毎月続けることを考えると、タイの方がかなり抑えられるケースが多いです。ただ、最近は円安の影響もあって、日本人のお客様の数自体はやや落ち着いてきている印象です。
ブレズならクリニックでの相談も薬局での薬の説明も日本語まで対応してもらえるのが、日本人にとっての安心材料になっているんですね。
続いては、海外生活に欠かせない常備薬の話を伺いました。
旅行・出張に頼れる常備薬
タイの薬局には、日本では処方箋が必要な薬が、市販で手に入るというメリットがあります。海外生活ならではの「お守り」になる薬について伺いました。筆者も下痢のときのためにカーボンとイモディウムを常備しています。
筆者:日本では処方箋が必要だけど、タイの薬局で買える薬はありますか。
飯田:急性期に使う抗生物質や抗ウイルス薬は、薬剤師と相談の上でお求め頂けるものもあり、海外出張が多い方には喜ばれております。下痢止めやアレルギー薬の需要が多いでしょうか。私自身も常備しています。抗生物質に関しては、原因となる菌の種類や個人の体質によって選ぶべき薬が変わってきます。一律に「これがおすすめ」とは言いにくいので、症状に応じて薬剤師にきちんと相談していただくのが安心です。
筆者:他にも、移住者が知っておくと便利な薬はありますか。
飯田:急性期の症状に対する薬は本当に充実しているので、海外旅行保険のような感覚で、出張や旅行の前に一通りチェックしておくと安心だと思います。タイは病院に行くまでのハードルが高いので、薬局で相談してすぐ手に入る、という流れに慣れておくと、いざというときも落ち着いて対応できると思います。
ちょっとした不調のときに、薬局でさっと相談できる環境があるのは、タイ移住者にとって心強いポイントです。 最後に伺ったのは、最近のトレンドである腸活サプリと、漢方との使い分けについてです。
腸活サプリと漢方の使い分け
コロナ後、タイでも腸活やプロバイオティクスへの関心が一気に高まっています。日本との違いや、漢方薬局との使い分けについても伺いました。
筆者:腸活系のサプリメントが人気だと聞きました。
飯田:そうですね。当社でも「ビオ菌」というプロバイオティクスのサプリメントを開発・販売していて、1ヶ月分300〜600バーツくらいで提供しています。成分自体は日本のビオフェルミンのようなものと大きくは変わりませんが、タイの製品は1錠あたりの含有量が多く、1日1錠で必要量に達するように作られていることが多いです。
日本の製品は1錠あたりの含有量が少ないぶん、1日に複数錠飲む必要があるものが多いという違いがあります。コロナ以降、コンビニのヨーグルトにもプロバイオティクス配合と表示されるようになるなど、タイ全体の健康志向は以前よりかなり高まっている印象です。
筆者:漢方薬局と、通常の薬局はどう使い分ければいいですか。
飯田:西洋医学の薬は、今出ている症状を早く抑えるのが得意です。一方、漢方は「なぜその症状が出ているのか」という原因の方にアプローチするので、効果が出るまでに少し時間がかかりますが、慢性的な症状や体質改善には向いています。
まずは西洋医学の薬で対処してみて、それでも繰り返してしまう場合に漢方を試す、という流れで来られる方が多いですね。たとえば不眠の相談であれば、ストレスや食生活、体の巡りなどをヒアリングしながら、ドリンクや粉末で1ヶ月ほど試していただくことが多いです。
改善してそれで終わる方もいれば、数年単位で少量を飲み続ける方もいて、漢方薬局には顔馴染みのお客様が多いのも特徴です。
腸活サプリのような「予防」と、漢方のような「体質改善」、そして西洋医学の「即効性」。タイの薬局は、この3つをうまく組み合わせて使える環境だと言えそうです。
日本にいるときは別々の選択肢として捉えていたものが、タイでは一つの薬局や、近くにある漢方薬局を通じて、症状に合わせて柔軟に選べるようになっているのも特徴的なポイントです。
まとめ
タイの薬局は、AGAのような専門的な薬から、出張時の常備薬、腸活サプリまで、日本よりも気軽に相談・入手できる環境が整っています。
飯田CEOが語ってくれたように、症状に応じて西洋医学・漢方・サプリメントを使い分けられることが、タイで暮らす日本人の健康管理を支えています。困ったときに日本語で相談できる薬局があるという安心感は、移住生活を続けるうえで大きな支えになりそうです。
筆者紹介
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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