バンコク在住日本人の健康を支える、ブレズ薬局のこれから

バンコクに移住して、薬局で症状をうまく伝えられずに困った経験はないでしょうか。喉が痛いのか、それとも単に乾燥しているだけなのか。英語でもタイ語でも言葉が出てこず、結局なんとなく似たような薬を買って帰る。バンコクに住んだことのある方なら、誰しも一度は身に覚えがあるはずです。
そうした不安を抱えがちな在住日本人にとって、心強い存在になっているのが、ブレズ薬局・ブレズクリニックを展開するBLEZ ASIA Co., Ltd.です。
今回は、創業からブレズグループを率いてきた飯田直樹CEOに、現在展開しているサービスと、これから目指す方向性についてお話を伺いました。
ブレズグループ公式サイト
https://blez-web.com/
ブレズグループとは
ブレズグループは、2012年にバンコクで薬局1店舗からスタートし、薬局・漢方薬局・内科・デンタル・動物病院と事業を広げてきた、バンコク在住日本人にはお馴染みの会社です。
どの事業にも共通するのが、日本語スタッフが常駐しているという安心感。それでは、各事業の現在地と今後の展望を、飯田CEOに聞きました。
【薬局篇】日本の薬局体験を、そのままバンコクに。
まず話を伺ったのは、ブレズグループの出発点である薬局事業についてです。日本語で相談できる安心感をベースに、いまどんな広がりを見せているのでしょうか。
筆者:まず伺いたいのが、ブレズ薬局の一番の強みです。何だとお考えですか。
飯田:シンプルに言えば、「日本語で相談できる」という安心感だと思います。タイの薬局は、薬剤師との会話がタイ語か英語であることが大半です。初めてバンコクに来た方が、体調不良のときにきちんと症状を説明するのは、思っている以上にハードルが高いんです。
筆者:その強みを、さらに広げる動きも始めているそうですね。
飯田:はい。日本の大手ドラッグストアチェーン、スギ薬局と合弁会社「スギブレズ」を設立しました。スギ薬局のプライベートブランドや、サプリメント、化粧品、医療機器、雑貨、食品といった商品を日本から輸入し、タイで展開する取り組みです。日本の良質な商品を、もっと多くタイに在住の方にお届け出来れば幸いです。
筆者:品揃え以外にも、新しいサービスは考えていますか。
飯田:簡易的な健康診断のような「日本式の薬局サービス」も検討しています。キットを渡してその場で数値を測っていただいたり、結果や健康相談をオンラインでお届けするような、日本の薬局らしさを交えたサービスは、タイにはまだほとんどありませんので、そんなサービス展開を狙っております。
筆者:なるほど。タイの薬局業界自体、日本とは仕組みが違うんですよね。
飯田:そうなんです。日本は調剤薬局とドラッグストアでライセンスが分かれていますが、タイでは基本的に同じライセンスの中で扱われています。地場には「バンコクファーマシー」のような24時間営業のチェーンや、セブンイレブンの隣によく入っている「エクストラプラス」のような大手チェーンが既にあります。そうした既存の市場の中で、私たちはスギ薬局やパートナー企業との提携を武器に、将来的には100店舗から300店舗規模まで広げることを、目標として描いています。
日本語で相談できる安心感に加えて、日本の品揃えやサービスまで持ち込もうとしているのが、今の薬局事業の動きです。続いては、クリニック事業に話を移しました。
【クリニック篇】駐在員の暮らしの変化が見える、診療の現場。
薬局事業に続いて伺ったのは、内科を中心としたクリニック事業について。患者層の変化からは、バンコクで暮らす日本人駐在員自身の生活の変化も見えてきました。
筆者:ブレズクリニックの患者さんの層は、創業時と比べて変わってきていますか。
飯田:かなり変わりましたね。スタート時は日本人が6〜7割を占めていましたが、今は日本人が30%、タイ人が20%、残りの40〜50%が欧米系という比率になっています。
筆者:日本人比率は、今後どうなりそうですか。
飯田:維持されるか、もしくは少し減っていく可能性が高いと思います。背景には、駐在員を取り巻く環境自体の変化があります。会社の家賃補助の予算が縮小して、トンローのような便利だけれど高い地域から引っ越す駐在員が増えていますし、駐在員自体が若返っていて、自分の保険プランを手厚くするより、家族や子供の保険を優先する人が増えています。円安の影響もあって、スクンビット周辺の物価は数年前と比べて明らかに上がっていますしね。
筆者:それでも、日本語で相談できる場所のニーズ自体は変わらないわけですね。
飯田:そこは変わりません。ただ、駐在員一人ひとりが使える予算は、確実に小さくなってきている。そういう実感がありますね。
客層が変わっても、日本語で安心して相談できる場所のニーズはなくならない。それを物語っているのが、美容領域での新しい動きです。
【美容篇】男性のVIO脱毛から、SBCとのシミ取り事業へ。
最後に伺ったのは、美容領域の取り組みについてです。男性向け医療脱毛から始まったこの事業は、今年から新たなパートナーシップによって次のフェーズに入っています。
筆者:美容領域に進出されたのは2018年ごろでしたね。
飯田:当時、男性向けの医療脱毛、特に男性スタッフが施術する男性のVIO脱毛を扱っているクリニックがバンコクにほとんどなかったんです。それで一気に支持を集めました。今でもメインの客層は日本人男性で、クリニックに来院した方にそのままご案内する形で、自然に広がっていきました。
筆者:今年6月から始まった、SBC(湘南美容クリニック)とのシミ取り事業についても教えてください。
飯田:内科診療や脱毛とは別枠で、シミ取りの施術部分だけをSBCと協業するスキームです。SBCの技術や知見を取り入れたシミ取り治療を、ブレズクリニックでそのまま受けられるようになっています。
筆者:SBCというブランドの信頼感は大きいですよね。
飯田:そう思います。日本で実績のあるブランドの治療を、バンコクで日本語のまま受けられる。これも、私たちが大事にしている「日本のブランドや考え方への信頼感」という軸の延長線上にある話だと思っています。
脱毛で築いてきた美容領域の実績を、信頼できる日本のブランドとの協業という新しい形で広げている。それが、いまの美容事業の姿です。
まとめ
ブレズグループが一貫して大事にしているのは、在住日本人が「日本語で、安心して」健康と向き合える環境をつくることです。
飯田CEOが語ってくれたように、これからは「選択と集中」がキーワードになっていきそうです。すべてを自分たちだけで広げようとするのではなく、信頼できる日本のパートナーと組みながら、本当に伸ばせるところに力を入れていく。その積み重ねが、これからのバンコクでの暮らしを、もう少し安心できるものにしてくれるはずです。
筆者紹介
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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