タイ在住15年、バンコクの生活を本当に変えた9つのこと

タイ在住15年、バンコクの生活を本当に変えた9つのこと
タイ在住15年、バンコクの生活を本当に変えた9つのこと

2011年にバンコクへ移住して、今年で16年目になります。

当時のことを思い出すと、まず移動が大変でした。タクシーは行き先を告げた瞬間に断られ、スコールが降れば、まずメーターを倒してくれない。渋滞にはまれば運転手が舌打ちを始め、空いてたら空いてたで、まるでレースのようにぶっ飛ばす。

この15年でタイの生活は本当に便利になりました。振り返って、これは決定的だったと思うものを9つ挙げてみます。

① 配車アプリの登場

① 配車アプリの登場

一番はやはり配車アプリです。Grabが2013年から14年頃に登場して、いまや生活に欠かせないインフラの筆頭になりました。

初期はUberも人気で、正直アプリの完成度もマッチングの速さもGrabよりUberのほうが上でした。それが東南アジア事業のGrabへの統合で姿を消し、今はGrabのほぼ一強です。

安さで支持を集めるBoltもありますが、こちらはドライバーの質をめぐる問題が続いていて、2026年4月には事件をきっかけに陸運局が営業ライセンス更新を認めない可能性を警告する事態になりました。同社は9月末までに登録ドライバー全員を法令適合させると表明していて、現在は改善の途中という段階です。旅行者としては、まずGrabを入れておくのが無難でしょう。

MuvMiの電気トゥクトゥク

もうひとつ、旅行者に勧めたいのがアプリで呼べる電気トゥクトゥクの「MuvMi」です。料金交渉が不要で、あの乗り物体験だけをきれいに味わえます。

② QRコード決済の普及

② QRコード決済の普及

コロナ禍を境に一気に広がり、いまや屋台でも小さな食堂でもほぼ確実に使えます。僕自身、今は財布を持たずに外出するようになりました。

この普及には、現金商売の売上が銀行口座に即時着金することで税務上の捕捉が進むという行政側の思惑もあったと言われていて、単なる利便性の話では終わっていません。

③ フードデリバリーの定着

③ フードデリバリーの定着

こちらも同じ時期に根づきました。昔は日本食の出前といえばスクンビット内だけ、といった自社配達が当たり前でしたが、GrabFoodやLINEMANのようなプラットフォームが挟まったことで、郊外に住んでいてもバンコク中の店から選べるようになりました。

住む場所の選択肢が広がったという意味で、これは生活の質を相当に押し上げています。

④ Google翻訳のカメラ機能

④ Google翻訳のカメラ機能

タイ語の看板やメニューにスマホのGoogle翻訳アプリをかざせば読めてしまう。この一点だけで、ローカル食堂や地方旅行のハードルが劇的に下がりました。

さらにChatGPTをはじめとしたAIの普及で翻訳だけでなく、同時通訳まで実現しつつあり、言語の壁が着実に低くなっているのを感じますよね。

⑤ 都市鉄道の延伸

⑤ 都市鉄道の延伸

BTSとMRTの路線網は、この15年で大きく育ちました。

象徴的なのが2019年のMRTブルーライン延伸です。中華街のワット・マンコーンや三大寺院まで電車で行けるようになり、観光ルートが一変しました。渋滞を読む必要がなくなるというのは、バンコクでは想像以上に大きな価値です。現在もオレンジラインやグレーラインの建設が進んでおり、2030年頃に向けてさらに便利になっていきます。

⑥ LCCの就航ラッシュ

⑥ LCCの就航ラッシュ

エアアジアやベトジェット、ノックエアの就航で、国内線がバスや鉄道より安いという逆転が起きました。プロモーションを拾えば往復数千円ということも珍しくありません。

これは日本との関係も変えました。2013年のタイ人のビザ免除に加え、往復2〜3万円で日本へ飛べるようになったことで訪日タイ人が爆発的に増え、いまではタイに来る日本人より日本へ行くタイ人のほうが多くなったのです。日本を知るタイ人が増えた結果、バンコクの日本食のレベルも間違いなく上がりました。

⑦ SNSの浸透

⑦ SNSの浸透

SNSの浸透度は、日本より上だと感じます。特にFacebookマーケットプレイスは、日本には実装されていない機能ですが、こちらではカメラのレンズから中古車、不動産まであらゆるものが売買されており、“タイ版メルカリ”といった存在です。

Instagramも観光の形を変えました。2016年頃からのインスタ映えブームで、タラートロットファイ・ラチャダーやワット・パクナムが一気に拡散し、女子旅などそれまでいなかった層の旅行者が押し寄せました。

⑧ ネット通販の二強時代

⑧ ネット通販の二強時代

タイにAmazonはなく、ECはShopeeとLazadaが二強です。サービス開始はLazadaのほうが早かったですが、当時は注文したのに届かなかったり、違うものが届いたり、というトラブルが頻発していました。

そこに現れたのがShopee。受取人が商品受領を承認するまで売り手に代金が渡らない仕組みを導入し、届かない、違うものが来る、というリスクを構造的に潰したんです。

今ではShopeeのほうが圧倒的なトップシェアを誇っています。

⑨ 円安バーツ高

⑨ 円安バーツ高

この15年で為替にも大きな変化がありました。1バーツ2.5円だった時代から今では5円。タイバーツはほぼ2倍になったのです。特にコロナ禍以降、バンコクはインフレも進んでおり、そこに円安が直撃。日本円に換算すると、15年前と比べて3倍程度になっているものも多くなりました。

一方、早い時期にタイの不動産を持った人にとっては、円換算の資産価値が倍以上になったケースも珍しくありません。同じ円安物価高でも、立場によって正反対の意味を持つのだということを実感しています。

将来から見れば今は安い

15年前と比べて、タイは間違いなく暮らしやすくなりました。ただ同時に、物価も家賃も上がり続けています。今が高いと感じても、5年後に振り返ったときには「あの頃はまだ安かった」となるかもしれません。タイランドプリビレッジのような長期滞在を早めに押さえておく人が増えているのも、たぶんそういう肌感覚があるからだと思います。

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