オンヌットの次に来る街、プナウィティ。新たなデジタルノマドの聖地へ。

オンヌットの次に来る街、プナウィティ。新たなデジタルノマドの聖地へ。
オンヌットの次に来る街、プナウィティ。新たなデジタルノマドの聖地へ。

バンコクに住む場所を相談されたとき、以前なら迷わずオンヌットを勧めていました。家賃と利便性のバランスが良く、日本人にも住みやすい。ところがそのオンヌットも家賃が上がり続けていて、最近は「もう少し東は?」という質問をよく受けるようになりました。

プナウィティ周辺路線図

そこで今回ご紹介したいのが、オンヌットから2駅先のプナウィティです。結論を先に言うと、観光で行く街ではありません。ただ、バンコクで働きながら、特にデジタルノマドとして暮らすことを考えている人にとっては、いま最も面白いエリアだと思います。

「サウス・スクンビット構想」という壮大な計画

「サウス・スクンビット構想」という壮大な計画

まず前提として、このあたり一帯は国家的な再開発の途中にあります。オンヌットからバンナーにかけてを、テクノロジーとデジタル、クリエイティブの拠点にしようという「サウス・スクンビット構想」です。デベロッパーのMQDC、通信大手のTrue(CPグループ)、そしてチュラロンコン大学といった顔ぶれが組んで進めています。

面白いのは、プロンポンやトンローのような「ラグジュアリーな都心」とは方向性がまるで違うところです。緑を大量に取り込み、働く場所を街のあちこちに散らし、リモートワーカーやクリエイターが集まりやすいように設計されている。実際に訪れてみると、その意図がはっきり伝わってきました。

トゥルー・デジタルパークのウエスト棟が居心地いい

トゥルー・デジタルパークのウエスト棟が居心地いい

駅からスカイウォークで直結しているのが、トゥルー・デジタルパークです。2019年開業のイースト棟と、2022年開業のウエスト棟に分かれています。

ウエスト棟の無料ワークスペース

まずウエスト棟に入って驚きました。ビル全体がコワーキングスペースのようになっているのです。廊下沿いに作業用デスクが並び、階段状の座席があり、Wi-Fiも電源もエアコンも完備。そしてこれが全部無料です。有料の会員制エリアも別にありますが、ノートパソコンを開いて何時間か仕事をするだけなら、無料エリアで十分でしょう。

トゥルー・デジタルパークのTKパーク

3階には「TKパーク」というライブラリースペースもあります。セントラルワールドにある店舗は有料ですが、ここは9時から18時まで無料。静かに集中したい日はこちらへ行けばいいですね。

実際に何時間か作業してみた感想として、バンコクのカフェで作業していると、隣の話し声や冷房の当たり具合で場所を変えたくなることがよくありますが、ここはビル内を移動するだけで解決します。ただし良い席は埋まりがちです。腰を据えるつもりなら午前中の早い時間に入るのが確実でしょう。

イースト棟は食と息抜き、そして瞑想ルーム

イースト棟は食と息抜き、そして瞑想ルーム

イースト棟に移ると、今度は完全に生活の場です。スシロー、大戸屋、リンガーハット、焼肉ライクといった日系チェーンが一通り揃い、地下にはスーパーのTopsとユニクロまである。日本人が生活で困る要素が、正直ほとんど見当たりません。

プナウィティで食べたガパオライス

タイ料理も充実していて、僕がこの日食べた80バーツのガパオライスは、これまで食べたガパオライスの中でもトップクラスの美味しさでした。ガパオライス目当てでまた訪れたいと思えるほどです。

トゥルー・デジタルパークの緑豊かな館内

建物のデザインも印象的で、緑がふんだんに使われていて、シンガポールのガーデンズ・バイ・ザ・ベイのようなと言ったらおおげさですが、自然と融合した空間が屋内に広がっています。

トゥルー・デジタルパークのスカイトラック

イースト棟とウエスト棟をつなぐ連絡橋の最上階にはランニングコース「スカイトラック」があり、こちらも登録すれば無料で利用できます。

トゥルー・デジタルパークの瞑想ルーム

さらに、靴を脱いで入るピラミッド型の瞑想ルームまでありました。仕事の合間に瞑想室に寄れるオフィスビルというのは、いかにもタイらしくて気に入っています。※瞑想ルームはウェスト棟

開業したばかりの「Cloud 11」

開業したばかりの「Cloud 11」

そして道路を挟んだ向かい側に、2026年7月16日にオープンしたばかりの「Cloud 11」があります。こちらもMQDCの開発で、投資額は200億バーツ超、プロジェクト全体では430億バーツ規模とされる巨大案件です。

映画、音楽、アート、ゲームなど11のクリエイティブ分野のハブになることを掲げていて、建物の外観からしてかなり攻めたデザイン。内部には17,000平米という、バンコク最大級の空中庭園を抱えています。

Cloud 11のthe COMMONSと抹茶カフェ

4階にはトンローでおなじみの半屋外モール「the COMMONS」のエリアが入り、一杯140バーツから1,000バーツを超えるものまで揃う高級抹茶カフェ「Seven Suns」なども営業していました。

Cloud 11の工事中の区画

ただし現時点では、まだ工事中の区画がかなり残っています。全体が本来の姿になるには、あと半年から1年は見ておいたほうがいいでしょう。逆に言えば、いま行けば「街ができていく途中」を見られるということでもあります。

プナウィティの家賃は?

プナウィティの家賃は?

肝心の家賃です。トゥルー・デジタルパークに直結するWhizdomシリーズなどのコンドミニアムで、ワンベッドルームが15,000バーツ程度から。日本円で7万円台です。トゥルー・デジタルパーク直結にこだわらなければ、もっと安い物件はたくさんあります。

スクンビット64には1万バーツを切るコンドミニアムが立ち並んでおり、選択肢も豊富です。

プナウィティ周辺の住宅街

家賃相場はトンローやプロンポンと比べれば3割ほど安く、それでいて駅直結でスーパーも食事も無料のワークスペースも揃っている。1ヶ月お試しで住んでみたい人、母子留学を検討している家庭、そしてリモートで仕事をしながら滞在したい人にとっては、条件がかなり噛み合うエリアだと思います。

もちろん弱点もあります。スクンビットの東側なので、アソークやサイアムへ出るにはBTSで15分以上かかりますし、夜遅くまで開いている店の選択肢も、トンローあたりと比べれば限られる。バーやレストランをはしごする生活を想像している人には、物足りなく感じられるはずです。逆に、日中しっかり働いて夜は静かに過ごしたい人には、この静けさがそのまま利点になります。

観光で来て「プナウィティに行ってきた」と話すことはたぶんないでしょう。ここは見る街ではなく、暮らして働く街です。だからこそ、長期滞在の拠点を探している人にはぜひ一度実際に歩いてみてほしいですね。

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