【2026年版】タイ生活のリスク10選。在住15年が正直に語ります。

「タイって住みやすいですよね?」とよく言われます。
住みやすいのは本当のことで、15年住んでいまだにこの街が好きです。でもいいことばかりかと言えば、当然そうではありません。今回は僕が感じるタイ生活のリスクを10個正直にリストアップしました。
移住を検討している方には特に読んでほしい内容です。
① 乾季の大気汚染。年々悪化するPM2.5
タイ生活のリスクで一番深刻なのが、乾季(11月〜4月)のPM2.5による大気汚染です。この記事を書いている2026年現在も、状況は僕がタイに来た頃より明らかに悪化しています。
2025年1月にはバンコクのPM2.5が108µg/m³を記録し、世界で4番目に空気質が悪い都市としてランクインする日もありました(出典:IQAir 2025年1月)。2026年1月もシーロム周辺で86.9µg/m³、サイアム周辺で83.4µg/m³を観測しています(出典:バンコク大気質情報センター)。
WHOの24時間ガイドラインである15µg/m³を5〜7倍上回る日が、乾季には普通にあるということです。
2025年1月にはバンコク都がBTS・MRT・ARLを7日間無料化するという異例の対策を打ちました。車の利用を減らして大気汚染を改善しようという試みですが、焼畑や排気ガスが根本原因である以上、抜本的な解決策にはなっていません。
特に2月下旬以降のタイ北部は焼畑の影響で世界ワーストレベルになります。チェンマイ周辺ではAQIが500を超える日もあり、もはや人が住む環境ではないと言っても過言ではありません。この時期のタイ北部への旅行はおすすめしません。
PM2.5は体内に蓄積される発がん性物質です。すぐに症状が出るものではなく、数年・数十年後に影響が出るのが厄介なところ。僕自身も、これからタイの大気汚染とどう向き合うかを真剣に考えているテーマです。乾季のPM2.5を理由にタイ移住を断念する人もいるほどで、移住を検討している方はぜひ乾季に一度バンコクを体験してから決断してほしいと思います。
対処法:毎朝IQAirアプリでAQIを確認。外出時はN95マスク。自宅には空気清浄機を置くこと。
② 慢性的な渋滞
大気汚染の次にストレスが大きいのが渋滞です。バンコクは世界有数の渋滞都市として長年悪名を轟かせており、コロナ禍で一時解消されたものの、その後完全に復活しました。
朝夕のラッシュ時の渋滞は凄まじく、電車で1駅分の距離が車で1時間かかることも珍しくありません。特に雨季のスコール後は道路の冠水も重なり、都心部が完全に麻痺することがあります。
僕が一番困るのは空港への移動です。以前、夕方にプラカノンからドンムアン空港にタクシーで向かっていたとき、ひどい渋滞でまったく動かず、結局トンローで下車してバイクタクシーに乗り換えました。長距離バイタクはもうこりごりで、それ以来できるだけスワンナプーム空港発着の便を選ぶようにしています。幸いフライトには間に合いましたが、あのときは本当に肝を冷やしました。
渋滞はタイに住む限り解消されないリスクです。バンコクでの生活においては「渋滞は織り込み済み」として時間に余裕を持った行動が基本になります。
対処法:Googleマップのリアルタイム交通情報を事前に必ず確認。空港へはなるべく電車で。ラッシュ時の車移動は最低でも2時間の余裕を見ること。
③ 交通事故
タイの交通事故死亡率はWHO統計で世界TOP10、バイク事故死亡率に至っては世界1位という水準です。2024年10月には30歳の日本人インフルエンサーがバイクタクシー乗車中に死亡する事故が起き、SNSでも大きな話題になりました。
タイでは歩行者よりも車が優先です。日本なら歩行者に譲る場面でも、タイでは車は構わず突っ込んできます。信号無視も日常茶飯事。僕も何度轢かれそうになったか分かりません。
特に危険なのが、ソンクラーン(4月)と年末年始です。この時期は全国で交通事故が急増し、政府が「危険な7日間」として特別警戒態勢を敷くほど。長距離移動は特に注意が必要です。
バイクタクシーは近距離の移動では便利ですが、事故リスクが格段に高い。どうしても利用する場合は必ずヘルメットを着用して下さい。
対処法:バイクタクシーは可能な限り避け、Grabを使う。乗る際は必ずヘルメット着用を確認。
④ 地震 「タイに地震はない」という認識が崩れた日
タイは長く「地震がない国」として認識されてきました。でも2025年3月28日、ミャンマーでM7.7の大地震が発生し、その認識は一夜にして覆りました。
震源から約1,000km離れたバンコクで、建設中の高層ビルが倒壊。タイ全体で死者17人・行方不明者77人という被害が出ました(出典:ジェトロ 2025年4月)。
在住日本人からは「コンドミニアムの15階にいたが、日本で経験した地震よりも強く、これまでに感じたことのない異様な揺れだった」という声が相次ぎました。
なぜ遠く離れたバンコクでここまでの被害が出たのか。2つの要因があります。ひとつは「長周期地震動」。大きな地震で発生する周期の長い揺れが遠くまで伝わり、高層建築物に特に大きな影響を与える現象です。
もうひとつはバンコクの地盤の問題。バンコクはチャオプラヤ川デルタの軟弱な粘土層の上に建つ都市で、揺れが増幅されやすい構造になっています。
さらに深刻なのが建築基準の問題です。倒壊したビルは中国国有企業が施工しており、低品質な鉄筋の使用が疑われ当局が捜査を進めました。日本のような厳格な耐震基準がないまま高層コンドミニアムが林立しているのが、バンコクの現実です。
対処法:高層階への入居は慎重に検討する。避難経路と非常口を事前に確認しておく。
⑤ 雨季の洪水・冠水
雨季は大気汚染が収まる一方、今度は洪水・冠水のリスクが出てきます。バンコク都心部への大規模洪水はほぼありませんが、スコールが1時間以上続くと水はけの悪い道はたちまち冠水。膝上まで達して帰宅困難になることも珍しくありません。
見落とされがちなのが感電リスクです。冠水した路上を歩いて感電死する事故がタイでは毎年起きています。2011年の大洪水では感電による死者が100人以上に上りました。冠水した道には電気が流れているかもしれない。この認識を持っておくことが大切です。
バンコク北方のアユタヤやチェンマイなどタイ北部・東北部は毎年洪水の被害が発生しています。旅行・移住を問わず、エリアの冠水リスクは事前に把握しておくべきです。
対処法:冠水した道路は歩かない。特に電柱・電線の近くは絶対に避ける。入居前に周辺の冠水しやすさを近隣住民や不動産屋に確認する。
⑥ 特殊詐欺
今やタイ生活を語る上で避けて通れないテーマが特殊詐欺です。
カンボジア・ミャンマー・ラオス・タイを拠点にした詐欺組織が、日本国内の高齢者を電話やSNSで騙す特殊詐欺が深刻化しています。2025年だけでカンボジアで日本人50人以上が詐欺拠点で拘束されました。ミャンマーでは高校生2人を含む日本人が詐欺組織に監禁・強制就労させられる事件が相次ぎ、日本社会に衝撃を与えました。
「月100万円・タイで働ける」「日本語が話せれば大丈夫」
こういったSNSの甘い誘いに乗って渡航すると、入国後にパスポートを没収・監禁されて詐欺の実行役にされます。逃げようとすれば暴力を受けるケースも報告されています。
もうひとつ知っておいてほしいのが「運び屋」リスクです。空港や観光地で見知らぬ人から「荷物を運んでほしい」と頼まれるケース、SNSで「荷物を届けるだけで高収入」という仕事を紹介されるケース。
こういった形で意図せず薬物の運び屋にされる事案が複数発生しています(出典:外務省 2025年広域注意喚起)。
これはタイに旅行に来る人の問題だけではありません。バンコクにも詐欺組織の拠点が存在するという報告があり、在住日本人も無関係ではないのです。
対処法:SNSの高収入バイトには絶対応募しない。知らない人の荷物は絶対に運ばない。渡航前に行き先と連絡先を家族に共有する。
⑦ 詐欺・スリ
定番の詐欺・スリも、手口が進化しています。
特に2024年以降急増しているのが「お金見せて詐欺」です。ドバイや中東・アフリカ出身を名乗る人物が観光地や繁華街で「日本円のお札を見てみたい」「両替してほしい」と声をかけてきます。財布や現金を取り出した隙に、素早く現金を抜き取る・クレジットカードをすり替えるという手口で、被害額は数万〜数十万円に上るケースも。在タイ日本大使館が異例の速度で警告を発出するほど急増した手口です(出典:在タイ日本国大使館 2024年5月27日通達)。
スリはワットポー、中華街ヤワラート、カオサン通り、チャトチャックウィークエンドマーケットなど有名観光地でも多発しています。ワットポーでは涅槃仏の大きさに夢中になっている隙に隣の参拝者を装ってバッグをまさぐられるケースも報告されています。
僕自身も以前、スクンビットのソイ23を歩いていたときに、スリングタイプのカメラバッグのファスナーを開けられました。振り返ると若い男性が立っていて…幸い何も盗られていませんでしたが、常に警戒は怠らないようにしようと改めて思わされました。
歓楽街(ナナ・ソイカウボーイ・パッポン)前で客待ちしているタクシーはぼったくりが多く、薬物を仕込まれた事案も継続して報告されています。歓楽街では路上のタクシーには絶対に乗らないこと。
対処法:見知らぬ人には財布を絶対見せない。歩きスマホをしない。タクシーは必ずGrabまたはBolt。
⑧ 狂犬病
タイは狂犬病発生国です。バンコク都心部では野良犬を見かける機会は減りましたが、郊外や地方に行けばその数は驚くほど多い。数年前には子猫に引っ掻かれたことが原因で狂犬病で亡くなった白人女性観光客がニュースになりました。
狂犬病は発症すれば治療法がなく、致死率は100%。ただしワクチンさえ打てば防げるリスクです。咬まれたり引っ掻かれたりしたら、迷わず即日病院へ行くこと。「大丈夫だろう」と様子を見るのが一番危険です。
僕も何度か野良犬や猫に咬まれ・引っ掻かれてワクチンを打ちにいきました。タイに長期滞在する方は予防接種を受けておくことを強くすすめます。
対処法:野良犬・猫・リスに触らない。咬まれたり引っ掻かれたりしたら即日病院へ。長期滞在者は予防ワクチンの接種を検討する。
⑨ 高額な医療費
タイでは医療はビジネスとして確立されており、大手私立病院は上場企業として利益を追求しています。サミティベート病院・バンコク病院・バムルンラードなど日本人駐在員御用達の大手私立病院の医療費は、文字通り目ん玉が飛び出るほどの金額です。
知人がサミティベート病院で盲腸の手術を受け、請求額は1,000万円近くになりました。幸いクレジットカード付帯の海外旅行保険を複数枚活用して自己負担はゼロでしたが、もし保険がなかったと思うとゾッとします。
「そもそも保険がなければ診てもらえない」という現実もあります。緊急時に保険証も保険会社の連絡先も持っていない。これはタイでは命取りになりえます。
対処法:旅行・移住を問わず、タイ渡航時は必ず海外旅行保険か現地医療保険に加入する。クレジットカード付帯の保険では補償額が不足する場合もあるので内容の確認を。
⑩ 食生活の乱れ タイに住むと太る?
少し軽めの話で締めますが、これも実はリアルなリスクです。
僕はタイに来てから15年で15kg太りました。65kgが80kgになった。加齢と運動不足もありますが、食生活の乱れが大きいと感じています。
タイ料理は油っこくて辛いものが多いため、食事中についコーラを飲んでしまいます。日本にいたころはファストフード以外でコーラを飲むことはほぼなかったのに、タイに来てから消費量が明らかに増えました。フルーツが年中安く手に入るのでおやつ代わりに食べてしまうのも太る原因のひとつです。
バンコクの日本食レストランは充実していますが、ラーメン・焼肉・とんかつなどカロリーが高めのお店が多い。外食に困らない分、逆に食生活が乱れやすい環境とも言えます。
ある程度の年齢に達したら、できるだけ自炊することをおすすめします。
まとめ
10個挙げてみると、確かに色々とリスクはあります。でも大切なのは「知っているか知らないか」の差で、知っていれば防げるリスクがほとんどです。
リスクを正直に伝えた上でも、タイは住みやすくていい国だと思っています。ただ「日本と同じ感覚」でいると痛い目に遭う国でもある。そのバランス感覚を持っておくことが、タイでの暮らしの基本です。
筆者紹介
明石直哉
2011年からバンコク在住。2015年に起業し、現在は会社経営と写真家という二足のわらじで活動中です。 このブログではタイ移住を検討している方に向けて、在住10年の経験を活かした情報を発信していきます。
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