【バンコク】日本人強盗被害の現場になったマッカサン駅の「1番出口」を実際に歩いてきた。


2026年8月12日の夜8時半ごろ、エアポートレールリンク(ARL)マッカサン駅のすぐそばにある草むらで、43歳の日本人男性が10代の少年グループに襲われました。
「マネー、マネー」と現金を要求され、断ったところ取り囲まれて石で頭を殴られ、1,400バーツ相当の現金とカードを奪われています。男性は近くの明るい通りまで逃げ、通行人に助けられて救急搬送されました。
犯人の少年7人は13歳から17歳、事件の翌日には全員が逮捕されています。在タイ日本国大使館も8月18日付で注意喚起を出しました。
このニュースを見て、正直なところ最初は状況が飲み込めませんでした。マッカサン駅は空港からの玄関口のひとつで、日本人旅行者が普通に使う駅です。なぜそこで、と。
気になったので、実際に現場まで行ってきました。結論から言うと、行ってみて納得しました。
駅前には広大な空き地が広がる

ARLでマッカサン駅に降り、まず1番出口へ向かってみました。そのまま外へ出ると、目の前は広大な駐車場でした。区画線は残っているものの停まっている車はまばらで、コンクリートの壁は落書きだらけ。

奥に目をやると、背の高い草がそのまま藪になった空き地が広がっています。駅の正面口とは思えない光景で、実際に立っていると「ここは本当に営業中の駅の前なのか」という気分になります。
被害に遭った男性も、この1番出口方面へ出てしまったのではと思います。暗い時間帯にここへ出てしまったら、遠くに見える大通りの明かりのほうへ抜けようとするのは、責められない判断だと思いました。
なぜ駅前にこんな廃墟があるのか

歩きながら気になったので、この建物の来歴も調べ直しました。もともとは「シティエアターミナル」として造られたものです。市内で航空券のチェックインと荷物の預け入れを済ませ、身軽に空港へ向かえるという構想でした。2011年から稼働していましたが、対象がタイ国際航空とバンコクエアウェイズに限られていたうえ、周辺の渋滞があまりにひどく「早く着くはずが逆に読めない」状態になり、3年8ヶ月ほどでサービスは終了しています。
残されたのが、この巨大な箱というわけです。現在は正面側がほぼ使われておらず、駐車場と、藪になった空き地だけが残っています。
正しいルートも歩いて確認してきた

その後、今度は正しいルートを歩いてみました。覚えていただきたいのは一点だけです。MRTペッチャブリー駅へ向かうときは、必ず2番出口を使ってください。
2番出口側には駅直結のスカイウォーク(高架歩道)があります。実際に歩いてみると、地上に一度も降りることなくMRTの駅まで到達できました。所要は数分程度で、迷いようがない構造です。

つまり、地上を歩く必要はまったくないのです。1番出口と2番出口で、これほど景色が違う駅も珍しいと思います。
ついでに書いておくと、宿泊先によってはマッカサンで降りない選択肢もあります。ARLの終点パヤタイ駅はBTSに直結しているので、スクンビットやサイアム方面なら乗り換えが単純です。ラチャプラロップ駅で降りればプラトゥーナムの市場エリアまで歩けます。マッカサンでの乗り換えが最短になるのは主にラチャダー方面へ出る場合なので、目的地次第では初めから別の駅を選んだほうが迷いません。
タイの空き地は、スラムより危険

これはマッカサンに限った話ではありません。バンコクには、放置されたままの空き地が驚くほど残っています。フェンスの中が藪になっているのは日常的な風景です。
15年住んできた感覚で言うと、スラム街より空き地のほうが危ないと思っています。スラムには人が住んでいて、生活があり、何かあれば見ている目がある。空き地にはそれがありません。薬物中毒者や不良グループのたまり場になりやすく、野犬の住処にもなっています。タイでは狂犬病が根絶されておらず、噛まれれば当日中に医療機関へ行く必要があります。普段はおとなしい犬でも、群れの縄張りに入られたときの反応はまったく違います。
もうひとつ厄介なのが、Googleマップの徒歩ルートがこうした空き地を平然と通り抜ける経路として表示してしまうことです。地図上は道に見えても、実際は舗装が途切れた獣道だった、という経験が僕自身に何度もあります。表示された所要時間が不自然に短いときは、衛星写真に切り替えて一度確かめてください。それだけで避けられるトラブルがあります。
現場を歩いて、最後に思ったこと

今回の件を「バンコクは危ない街だ」という話にしたいわけではありません。ARLは安全で快適ですし、マッカサン駅の乗り換えも2番出口さえ守れば何の問題もない。実際に歩いてそう確認できたのは収穫でした。
ただ、長距離フライトの後、暗くなってから、大きな荷物を持って、初めての駅で乗り換える。この条件が重なった夜は、判断力が普段どおりではないはずです。到着が遅い便のときは、素直にGrabか事前予約の空港送迎に切り替えてしまったほうがいいでしょう。
それから、万一人数で囲まれて金を要求されたら、抵抗しないでください。今回の事件も、断ったことで暴力に発展しています。財布の中身は取り返せますが、頭の怪我はそうはいきません。だからこそ、その場で渡してしまえる程度の現金だけを持ち歩くという習慣が効いてきます。
被害に遭ったらツーリストポリスへ連絡し、警察署で盗難証明書を発行してもらってください。保険の請求に必要です。
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